60歳からのバランス感覚と転倒予防:毎日できるシンプルなエクササイズ

60歳からのバランス感覚と転倒予防には、シンプルなバランスエクササイズが役立ちます。安定感も筋肉と同じように鍛えられるからです。毎日できる安全なメニューと、それをより確かなものにする家の中の工夫を紹介します。
60歳からのバランス感覚と転倒予防に役立つバランスエクササイズは、転倒のリスクを減らす最もシンプルな方法のひとつです。年齢とともに、筋肉、関節、平衡感覚をつかさどる器官が変化し、バランス感覚は少しずつ低下していきます。うれしいことに、安定感も筋力と同じように、どの年齢でも鍛えることができます。
以下では、自宅でできる安全なメニュー、平衡感覚のためのエクササイズ、転倒予防をより確かなものにする住まいの工夫を紹介します。内容はNHSと米国国立老化研究所の資料にもとづいています。
60歳を過ぎるとバランス感覚が低下するのはなぜ?
バランスはいくつものしくみに同時に支えられていて、年齢とともにそれぞれの働きが少しずつ弱まります。ひとつひとつの変化は目立ちませんが、重なるとつまずきやすくなります。
- 脚や体幹の筋肉が弱くなる。くわしくは「60代からの筋肉量の維持」をご覧ください。
- 関節の動きが小さくなり、歩幅が短く慎重になる。
- 平衡感覚をつかさどる器官や視覚が、体の位置を伝えるのに時間がかかるようになる。
- 体をあまり動かさない生活が、これらの変化を早める。
転倒予防に役立つバランストレーニングは?
いちばん効果的なのは、支えを使って毎日自宅でできるシンプルなエクササイズです。2〜3種類から始め、自信がついたら新しいものを加えていきましょう。
- 椅子のそばに立って背もたれにつかまり、ひざを交互に上げて5〜10秒キープします。
- 手で壁を支えにしながら、かかととつま先をつけて一直線に歩きます。
- 支えのそばで片足立ち。数秒から始めて、少しずつ時間を延ばします。
- 椅子の背もたれにつかまって、かかとを上げてつま先立ちになり、ゆっくり下ろします。
- 手を使わずに椅子から立ち上がり、ゆっくりと座り直します。
高齢の人に向いている平衡感覚のエクササイズは?
平衡感覚は、頭や視線のなめらかな動きで鍛えられます。支えのそばに立つか座った姿勢で、ゆっくり、反動をつけずに行いましょう。
- 頭をゆっくり左右に向け、次に上下に動かします。
- 頭を動かさずに、視線だけをひとつのものから別のものへ移します。
- 両手を腰に当てて立ち、体をなめらかにひねります。
- 頭をゆっくり動かしながら部屋の中を歩きます。壁のそばで、または身近な人と一緒に。
こうしたメニューには、ゆったりとした動きのプラクティスもよい組み合わせです。くわしくは「太極拳 初心者ガイド:バランスへのよさと最初の一歩」をご覧ください。
どれくらいの頻度と時間で行えばいい?
効果を感じるには、週に数回、できれば毎日、5〜10分行えば十分です。1回の長さより、続けることのほうが大切です。
いつもの動作と結びつけると続けやすくなります。たとえば、お湯が沸くのを待つ間にキッチンカウンターのそばで片足立ちをする、など。少しずつ難しくしていきましょう。最初は両手で、次に片手で、最後は指先だけで支えます。
家の中で転倒のリスクを減らすには、ほかに何ができる?
家の中に余計な「わな」がなければ、エクササイズもより効果的になります。住まいのシンプルな工夫で、転倒のリスクははっきり下がります。
- すべりにくい靴底でかかとのない、安定した靴。
- 廊下を明るくし、浴室までの通り道に常夜灯を。
- つまずきやすいマットやコードは置かない。
- 浴室には手すりを、シャワーにはすべり止めマットを。
定期的なウォーキングも脚の筋力と全体の安定感を保つのに役立ちますし、「55歳からの関節のしなやかさ」で紹介しているやさしい体操は、体の動かしやすさを保ってくれます。けが予防のもうひとつの柱である50歳からの骨の健康も忘れないようにしましょう。
毎日の運動のためのエネルギーを保つには?
バランスは続けることでしか鍛えられないので、散歩や自宅での短いエクササイズを続けられるだけの体力があることが大切です。十分な睡眠、毎日体を動かすこと、無理のない範囲の負荷が助けになります。
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