お酒と睡眠:ワイン1杯で「コテン」と眠れても、回復が奪われる理由

ブログ編集部 ·

ワイングラスを手に毛布にくるまってベッドに座る疲れた女性。お酒と睡眠

お酒と睡眠は味方同士に思えます。1杯飲めば早く眠れるからです。でも朝はその逆を告げます。早朝の目覚め、重い頭、夜がむだに過ぎた感覚。お酒を飲むと眠くなる理由、そのあと早く目が覚める理由、そして睡眠中の心拍と回復についてのデータが示すことを整理します。

「ワインを1杯飲めば、赤ちゃんみたいに眠れる」。誰もが聞いたことのある言葉です。けれど、それをリストバンドやスマートリングで確かめる人が増え、違う光景を目にしています。心拍は高く、回復は低い。Google Trendsによると、アメリカでは2022年以降「alcohol and sleep」への関心がおよそ3倍になり、無理なく意識的にお酒を減らす「ソバーキュリアス(sober curious)」の動きも目立つトレンドになりました。日本でもGoogleの検索候補には「お酒 睡眠の質」「お酒 睡眠 浅い」が並びます。お説教をするつもりはありません。1杯のお酒が夜に何をしているのか、ただ整理してみましょう。

お酒を飲むと眠くなるのはなぜ?

アルコールには鎮静作用があり、実際に寝つくまでの時間を短くするからです(Sleep Foundation)。「お酒は眠りを助ける」という感覚はここから来ています。

けれど、それは罠です。寝つきは夜の最初の数分にすぎず、回復はそのあとの7〜8時間で起きています。Sleep Foundationはこの効果を、眠りを助けているという錯覚と呼んでいます(Sleep Foundation)。

お酒を飲むと早く目が覚めるのはなぜ?

血中のアルコール濃度が下がると、夜の後半にいちばん浅い段階の眠りが増え、目が覚めやすくなります。眠りは途切れ途切れで、質の低いものになります(Sleep Foundation)。

そこでおなじみのパターンが生まれます。5分で寝ついたのに、朝4時には目がさえ、心臓がドキドキし、頭の中を考えがぐるぐる回る。さらにアルコールはレム睡眠――記憶やその日の感情の整理と関係づけられている段階――を減らし、これが翌朝のだるさや集中力の低下の原因のひとつになります(Sleep Foundation)。夜中に目が覚めることについて詳しくは、記事「夜中の3時に目が覚める」で。

その影響の大きさについて、Sleep Foundationの調査では、夜に習慣的にお酒を飲む人のほぼ90%が、睡眠について少なくともひとつの問題を挙げました(Sleep Foundation)。

自分で確かめるのは、思うより簡単です。この記事のPDFに「30晩」の実験をまとめました。睡眠と心拍のトラッカーと、お酒なしの夜のチェックリストです。他人の数字ではなく、自分の数字で違いを見られます。

Q&A

お酒を飲むと眠くなるのはなぜ?
アルコールには鎮静作用があるため、最初は寝つきを早めます。けれどそれは見せかけの印象で、夜の後半には眠りが浅く、途切れがちになります。
お酒を飲むと早く目が覚めるのはなぜ?
血中のアルコール濃度が下がると、眠りがいちばん浅い段階へ移り、目が覚めやすくなります。そのため、すぐ寝ついたのに午前3〜4時にはもう眠れない、というのがよくあるパターンです。
寝る前にお酒を飲んでもいい?
Sleep Foundationによると、専門家は少なくとも寝る3〜4時間前までに飲み終えるようすすめており、人によってはもっと長い間隔が必要です。またWHOは、健康にとって安全な飲酒量は存在しないと強調しています。
お酒は睡眠中の心拍にどう影響する?
4,000人以上を対象としたフィンランドの研究では、少量のお酒でも、心拍変動から計算した睡眠の最初の数時間の生理的な回復の指標が下がり、多量では40%近く下がりました。観察研究ですが、傾向ははっきりしています。

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