産後の回復:焦らず体力を取り戻す方法

産後の回復は少しずつ進みます。最初の数か月は睡眠不足と体への大きな負担が続く時期です。何から始めればよいか、焦らずに体力を取り戻すために役立つことを解説します。
産後の回復は、数週間ではなく数か月をかけて少しずつ体力を取り戻していく過程です。体は妊娠と出産から回復している最中で、睡眠や生活のリズムもがらりと変わります。ですから最初の数か月に以前と同じエネルギーを期待するのは現実的ではありません。それでいいのです。
産後の体では何が起きている?
体は少しずつもとの状態に戻っていきます。ホルモンバランス、骨盤底筋や腹筋、全体的なエネルギーは、数か月かけて回復します。
基本的な体の回復にはふつう最初の6〜8週間かかりますが、体力が完全に戻るまでには、多くの女性でもっと長い時間が必要です。回復のスピードは、出産の方法、妊娠中の体調、睡眠、身近な人のサポートによって変わります。最初の数週間についてくわしくはACOGの資料をご覧ください。
産後の回復は何から始める?
まずは基本から。最初の数週間は、どんな運動よりも、睡眠、食事、水分、身近な人の助けが大切です。
- 夜だけでなく、眠れるときにはいつでも眠りましょう。新生児の眠りは細切れなので、日中の短い休息がとても大切です。上手な昼寝のとり方は「正しい昼寝の取り方」の記事で紹介しています。
- 規則正しく、しっかり食べる:片手で食べられる簡単な間食を手の届くところに置いておく。
- 水分を十分にとる。とくに母乳育児中は意識しましょう。
- 助けを頼み、受け入れる — それは弱さではなく、限られた力の上手な配分です。
- 産後の定期健診を忘れずに受ける。
産後の回復に向いている運動は?
いちばんやさしい運動から、医師が安全だと確認してから始めます。
ふつうは、まずゆったりした散歩と呼吸の練習から始め、次に骨盤底筋のエクササイズや体幹のやさしいトレーニングへと進みます。ランニング、ジャンプ、筋トレへの復帰は少しずつ、人それぞれのペースで。帝王切開と経腟分娩では時期が異なります。ベビーカーでの散歩はよい第一歩です。ウォーキングの効果については「ウォーキングの効果」の記事をお読みください。体の声に耳を傾けましょう。散歩のあとの軽い疲れは問題ありませんが、運動後の痛みや悪露の増加は、ペースを落として医師に相談するサインです。
産後の回復を早めるには?
正直に言うと、早めることはできません。でも、回復のじゃまをせず、よい環境を整えることはできます。
急いで運動を始めたり、早く「体型を戻す」ために厳しい食事制限をしたりすると、体力を奪うことのほうが多いのです。役に立つのは次のようなことです。ほかのママやSNSの写真と自分を比べるのもやめましょう。回復のペースは人それぞれです。
- たんぱく質を十分に含む栄養のある食事 — くわしくは「食事のたんぱく質」の記事で;
- 眠れる機会、休める機会はすべて活かす;
- 活動量は急にではなく、少しずつ増やす;
- 家事や夜中の授乳・寝かしつけでのパートナーや家族のサポート。
産後の心の状態を支えるには?
心の回復も体の回復と同じくらい大切で、やはり時間がかかります。
最初の数週間は、多くの女性で気分がめまぐるしく変わります。喜びのあとに涙が出たり、赤ちゃんのことが心配になったり、途方に暮れたり。睡眠不足やホルモンの変化が、この揺れを大きくします。役立つのはシンプルなことです。
- 自分の気持ちをパートナーや家族、ほかのママたちに話す;
- 短い時間でもいいので、毎日外に出る;
- ほんの少しでも自分だけの時間をつくる — 急がずにシャワーを浴びる、静かにお茶を一杯飲む;
- 家や家事への要求を下げる:いまは完璧に片づいていることがいちばん大事なのではありません。
疲れが寝不足以上のものになるのはどんなとき?
疲れに加えて、落ち込みや不安が続いたり、周りのことに興味が持てなくなったりしたら、医師に相談するサインです。
こうした症状は産後うつのサインである可能性があります。産後うつは、休息だけでなく専門家の助けが必要な状態です。よくあることで、ママのせいではありません。
慢性的な睡眠不足の中で力を見つける方法は「育休中の母親のエネルギー」の記事で、睡眠の役割については「睡眠は最強の回復ツール」の記事で紹介しています。